光明寺(旧津久井町・現相模原市)は、夢窓疎石を開山とする臨済宗建長寺派の古刹で、 その前身であった宝積寺の中世文書や絵画を今に伝えています。一方、鎌倉円覚寺にほど近い山崎にも、もう一つの宝積寺がありました。 この二つの宝積寺は、室町時代にはどちらも廃寺となりますが、近年、夢窓派の東国の拠点であった円覚寺黄梅院の有力な末寺であったことが明らかにされました。
『光明寺文書』には、夢窓国師の有力な外護であった三浦氏一族が所領を寄進した和田郷龍徳院に関するものも含まれ、室町時代になっても夢窓派と三浦氏との関係が続いていたことを物語ります。
本展では、建長寺派四大重鎮の一つとして繁栄した光明寺の文化財を一堂に展示し、あわせて初公開の宝積寺旧本尊十一面観音菩薩立像など、鎌倉の禅宗寺院の至宝とともにご覧いただきます。